『君たちはどう生きるか』映画で気持ち悪い部分を徹底分析&大胆ネタバレ解説!

『君たちはどう生きるか』は、吉野源三郎氏によって 1937 年(昭和 12 年)に書かれた原作小説です。

この小説は、2017 年に漫画化され大ヒットを記録しました。
そして 2023 年、宮崎駿監督によってジブリ映画として公開されました。

インターネット上でこの作品を検索すると、不思議なことに「気持ち悪い」という言葉が頻繁に登場します。

それは、映画そのものにではなく、原作小説や漫画版が発売された際の読者の感想や反応を指している可能性があるのです。

そうした感想の中で、「気持ち悪い」という表現が使われた理由を、ネット上のさまざまな意見から導き出すことができます。

なぜ『君たちはどう生きるか』が気持ち悪いと思われているのか?

話題のこのジブリ映画は、公開までその内容が謎に包まれていました。

しかし、興味津々でタイトルを検索してみると、「気持ち悪い」という言葉が浮かび上がります。

ただし、この感想は映画自体に関するものではなく、むしろ小説や漫画に対するもののようで す。

また、原作小説と映画とでは異なる内容が展開されているようです。

その「気持ち悪い」という印象が生まれる理由は、以下の 3 つです。

 

理由1:内容にギャップがありすぎる

元々の原作小説は 1937 年に出版され、その後 2017 年に漫画版も登場しました。 小説が出版された当時は戦時中であり、社会背景も異なっていました。この時代のギャップ が、現代の感覚とずれて「気持ち悪い」と感じられたのかもしれません。 時代の変化によって人々の感覚も変わり、それが作品の評価に影響を与えた可能性がありま す。

理由2:表現の変化とギャップ

原作小説と漫画版の 80 年という時間の経過によって、表現のスタイルも変わってきました。 絵の描き方やタッチ、表現方法が異なるため、これも違和感の一因となったでしょう。 時代によって受ける印象や評価は異なるため、絵の好みや表現に対する感覚の違いが、「気持ち悪い」という感情を引き起こしたのかもしれません。

理由3:漫画版が過剰に賞賛されていた

漫画版「君たちはどう生きるか」は累計 100 万部以上のヒット作となりました。
しかし、その際にメディアが過度な盛り上げを行ったことや、否定的な意見が少なかったことが、「気持ち悪い」という印象を生んだ可能性があります。 過剰な報道や賞賛は、一部の人々にとっては不快感をもたらし、作品に対する違和感を生ん だことが考えられます。

このように、『君たちはどう生きるか』に対する「気持ち悪い」という印象は、時代のギャップや 表現の違い、過剰な賞賛など複数の要因が絡み合って生まれたものと言えるでしょう。

『君たちはどう生きるか』に登場する気持ち悪い 3 種類の鳥とは?

1)2 つの顔を持つアオサギ
→眞人の内面の対話?

『君たちはどう生きるか』のポスターに描かれる白い鳥、「アオサギ」(声:菅田将暉)は、複雑 な二面性を持っています。眞人の住む屋敷の周囲を飛び回り、時折「ついてきな」と声をかけ ます。美しい飛び姿に反して、声はしわがれて不気味さを感じさせます。

アオサギは醜悪な「サギ男」という姿を持つことも明らかにされます。彼は嘘をつき、眞人をだ ます一方で、本当のことを言うこともあります。脅す言葉と共に助けの手を差し伸べるなど、複 雑な行動をとります。そして最終的には、アオサギは眞人の「友人」となります。

この対照的な存在のアオサギは、眞人の内面に秘められた感情を反映しているのかもしれま せん。アオサギは異世界と現実世界を繋ぐ存在として機能し、人類が抱える複雑な思いを象 徴していると言えるでしょう。忙しい父と疎遠な継母との生活、馴染めない学校環境など、眞人 の本心が表面化しづらい状況をアオサギが具現化し、代わりに表現している可能性がありま す。

2)命を奪うペリカン
→戦場を生きる”兵士”?

眞人が異世界で最初に遭遇する存在は、大量の「ペリカン」です。彼らは眞人に襲いかかり、 人間の元となる「ワラワラ」を襲撃します。ペリカンたちは無慈悲で残酷な行動をとり、その様 子に眞人も怒りを露にします。しかし、火によって撃退される場面も見受けられます。

火によって追い詰められた老ペリカン(声:小林薫)に対し、眞人は「なぜそんな行動をするのか」と問います。老ペリカンは、自分たちは異世界へと導かれ、生きるために他者を犠牲にせ ざるを得ない立場にあること、ワラワラが不足しているために食物を求めていること、遠くへ行っても同じ場所に戻されてしまう運命に縛られていることを語ります。

ペリカンたちの状況は、戦争中の兵士たちの苦悩や葛藤を象徴していると捉えられます。彼らは、意志に反して元の場所を離れ、生き残るために無情な行為を強いられています。そして、永遠のループから逃れられず、戦争の繰り返しに取り込まれているような描写が、戦争を生きる 兵士たちの運命を暗示しているのかもしれません。

3)世界を破壊するインコ
→我々自身の姿かもしれない

この作品は多くの解釈ができるが、主人公の”敵”と見なせる存在として、「インコ」が挙げられることは一致しているでしょう。異世界に迷い込んだ眞人は、インコが我々が一般的に知る小 さく可愛らしい姿とは異なり、背が高く人間のようなフォルムをしていることに驚かされます。そ の外見は、遊園地の着ぐるみのようでもあるが、手には大きな包丁やのこぎりといった恐ろし い道具を持ち、眞人たちを「食材」として解体することを示唆しています。

インコたちは異世界の中心にある建物に集結し、各々が料理や警備などの役割を果たしなが ら生活しています。そして彼らは”善意のない世界”に反発し、より住みやすい世界を築くために 結束し、知的なインコである”大王”(声:國村隼)が異世界を作った眞人の大叔父に交渉に向かいます。しかし、その結果世界に”悪意”が渦巻き、崩壊が引き起こされる運命を辿ることとな ってしまいます。

我々観客自身も、自分たちが持ち込む”食材”を欲張りに消費し、自由に意見を述べる姿勢か ら考えれば、インコたちこそが我々の姿を映し出しているかもしれません。眞人が迷い込んだ 異世界には、多くの場面がジブリ作品へのオマージュとして描かれており、このことから異世界 はまるでジブリの世界であるかのように見受けられます。もしそのように異世界を解釈するなら ば、作品を楽しむ一方で批判的な視点を持ち込み、自分たちの意志を作品に反映させようと する行為が、文化の崩壊をもたらす可能性があります。これこそが、インコたちの負の側面を 象徴しているのかもしれません。

■私たちの生き方→”インコ”のような選択を避けて
『君たちはどう生きるか』に登場する 3 種類の鳥たちは、変化を求めながらもそれを得ることが できない存在を象徴しています。アオサギは、辛い現実を変えたいと願うが声を上げることが できない眞人の心を表しています。ペリカンは、他人を傷つけずに平和に暮らしたいと望むが、 戦いから逃れることができない兵士たちを象徴しています。そしてインコは、都合の良い現実を 求めた結果、その世界自体を失ってしまう、ファンの悪意を象徴しているのでしょう。

変化には未来への希望が宿るが、同時に絶望も含まれます。しかしながら、前進するために は変化が必要です。『君たちはどう生きるか』の世界を飛び回る鳥たちは、大叔父が創り上げ た”異世界”という鳥かごから、観客に自身がどのように変化するかを問いかけているように思 えます。そしてこの問いかけは、宮崎監督からの我々へのメッセージであるかもしれない。未来 において、”宮崎アニメ”が存在しなくなる世界で、私たちはどのように生きるべきか。せめても の願いとして、世界を壊すような選択は避け、前向きな変化を遂げていければと考えます。

気持ち悪いと感じたシーンは、どんなシーン?

なぜ『君たちはどう生きるか』が気持ち悪いと感じられるのか、その理由について説明しましょ う。

⚫︎グロテスクな表現
映画内には骨や解体された人体のような描写が含まれており、これらのシーンがグロいと感じられる人もいます。特に、料理場の描写や解剖的な要素が気持ち悪さを引き起こす可能性があります。

⚫︎怖い要素
物語にはホラー要素が含まれており、恐怖感を感じる人もいます。特に、不気味な 鳥や大量の生き物が登場するシーンは、怖さを引き立てる要因となっています。また、鳥が人 間のような動きをすることで、不自然さが強調され、恐怖感が増すこともあります。

⚫︎気まずさ
物語の中で展開される家族関係や人間関係の複雑さが、視聴者に気まずさを感じ させる要因となることがあります。特に、再婚や家族の状況の変化による心理的な葛藤が描かれることで、共感と同時に不安や気まずさが生まれるかもしれません。

⚫︎鳥や生き物の描写
映画内に登場する鳥や大量の生き物の描写が、気持ち悪さを引き起こす 要因となります。特に、現実の鳥と異なる姿や動きが、視聴者の不快感を増幅させる可能性 があります。

以上の理由により、『君たちはどう生きるか』は一部の視聴者にとって気持ち悪いと感じられる ことがあります。しかし、その一方でこれらの要素が作品の独自性や深みをもたらしていること もあります。個々の感受性や嗜好によって、感じ方が異なることも理解しておくと良いでしょう。

『君たちはどう生きるか』のあらすじ紹介【ネタバレあり】

物語の舞台は、火事で亡くなった実母と、その後入ってきた継母(母の妹)という複雑な状況 に揺れる少年の心の葛藤に焦点を当てています。偶然にファンタジーの世界に迷い込むことで、彼は実母を生き返らせるか、それとも新しい継母と共に未来を築くかの選択を迫られます。

初めは実母を蘇らせることに決意していましたが、ファンタジー世界のパラレルワールドの母から、「私を生き返らせたら世界が変わる。私は焼死する運命でも、あなたを産むことを選びたい」という言葉を聞き、過去を変えるのではなく、継母との新しい未来を受け入れる決断をしま す。

この物語は、『ブレイブストーリー』の要素を含みつつ、難しい選択と家族の複雑な絆が織り交ざった、深みのあるストーリーを描いています。

まとめ

『君たちはどう生きるか』は、家族の葛藤とファンタジーの要素が織り交ざる作品です。物語の深さやキャラクターの魅力、一方で引き起こされる気持ち悪さが、この映画の特徴です。ストーリーの背後にあるテーマや選択の難しさに触れながら、その魅力を堪能できる作品と言えるで しょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました